今回は、水泳教室(スイミングスクール)の集客についてマーケティングの考え方から具体的な生徒の集め方(チラシ、ポスター・POP・看板、広告、フリーペーパー・雑誌、口コミ、イベント、ブログ・ホームページ・SNSなど各種生徒募集の方法のメリット・デメリットなど)までを解説し、参考として僕が考える理想の集客アイデア、過去の成功・失敗事例、生徒の集め方に関するセミナーや本などを紹介します。
水泳教室の理想的な集客とは、教室の経営理念や指導方針に合った生徒を十分な利益が出る生徒数まで集めることです。
最適な集客のやり方は時代によって変化しています。
この記事では今の時代に最も適した集客術を導き出すために、あらゆる方法について検討したいと思います。
・開業したは良いものの生徒が集まらない
・生徒数が年々減少の一途をたどっている
・見学や体験などのお問い合わせすら来ない
・教室の集客や経営の勉強をする時間がない
・集客代行業者に依頼したものの効果がない
あなたはこのようなお悩みを抱えてはいないでしょうか?
水泳教室は、地域のスイミングクラブや全国チェーンのフィットネスクラブが行っているケースが多く、共に地域の子供をターゲットとしています。
この記事を最初から最後まで読めば、水泳教室の集客に関わる知識が身に付くように書きました。
今までの集客方法で生徒が集まらないなら、なにかを変える勇気が必要なのです。
目次
水泳教室の集客のコツ1 経営理念・経営戦略を決定する!
まず、本題に入るまえにあなたの教室がなにを目指し、今なにをすべきなのかを改めて明確にしておく必要があります。
どのような教室であっても経営理念や経営方針とそれを実現させるための経営戦略や経営計画を立てることはとても重要です。
なぜなら、ビジョンがなければ今後教室を運営していくうえでブレが生じ、「結局なにをしたかったのか」がわからなくなってしまうケースが多いからです。
また、集客においても「どのような生徒に来て欲しいのか?」が明確でなければ思うように生徒を集めることは難しいでしょう。
教室の規模にかかわらず、「どのような教室にするのか?」と「どうすればそのような教室が出来るのか?」を具体的にしておく必要があるでしょう。
水泳教室の集客のコツ1-1 経営理念・経営方針の決定
まず、「どのような教室にするのか?」を考え直してみましょう。
教室を運営するうえでなにを目指すのか大黒柱となるビジョンを据えるのです。
きっとこのあたりはあなたが「教室をやりたい!」と思った背景にあるはずなので、どのような世界を実現したいのか、なぜ教室を始めたのかを掘り下げて考えてみると良いでしょう。
例えば、「水泳の素晴らしさをより多くの人に知ってもらいたい」という思いや、「世界で活躍する競泳選手を育てたい」という思いを持っている方が多いでしょう。
この思いを具現化するために「どのような教室にするのか?」を明確に決定しましょう。
教室がしっかりとした骨格を持つと生徒のニーズに合わせてブレて良いところと、決してブレてはいけないところがはっきりするのです。
水泳教室の集客のコツ1-2 経営戦略・経営計画の決定
次に、「どうすればそのような教室が出来るのか?」を考えてみましょう。
経営戦略・戦術や経営計画というと身構えてしまいますが、論理的に掘り下げていくことで自ずとなにをどの手順ですべきかが見えてくるでしょう。
人によって計画の立て方は異なりますが、僕は年単位の長期計画・月単位の短期計画・日/週単位の超短期計画を立てることをおすすめします。
例えば、「競泳選手を育てるための水泳教室」を始めたいとしましょう。
まず、長期計画は10年目までにプロを輩出する、5年目までにプロを輩出するためのノウハウを構築する・教室の経営状態を安定させる、1年目までに生徒数を定員一杯まで集める(プロになる可能性のあるポテンシャルのある生徒を集めるためには確率論的にある程度の生徒数が必要だから)といった大まかな計画が立てられます。
次に、短期計画は長期計画を達成するために必要なことを段階毎に分けて考えます。基本的には、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)の4段階に分けて考えると良いでしょう。
1年目の計画では「生徒数を定員一杯まで集める」なので、1ヶ月目は集客について調査・検討、2~6ヶ月目は集客方法の導入・運用、7~8ヶ月目は集客方法の分析・再検討、9~12ヶ月目は集客方法の完成と段階にわけて計画を立てることができます。
次に超短期計画は短期計画を達成するために必要となる具体的な行動を考えます。
1ヶ月目の計画では「集客方法の調査・検討」なので、1週目は教室集客の方法の種類について調査、2週目は調査したそれぞれの集客方法について掘り下げて調査、3週目はどの集客方法を導入すべきか検討、4週目は具体的にどの集客方法を導入するかの決定と具体的な行動を決めることができます。
また、これを1日単位にまで落とし込めると無駄なく計画を遂行することができるようになるでしょう。
まずは長期・短期計画で構わないので、目標までの道のりを具体的にしましょう。
【水泳教室の集客のコツ1】
・ブレない教室の経営理念を決める。
・どのように教室を運営していくのか戦略と計画を練る。
水泳教室の集客のコツ2 教室のマーケティングをする!
教室の集客を考えるときにマーケティングは必須です。
マーケティングとは、その商圏のニーズの調査・そのニーズに合った商品やサービスの開発・その商品やサービスのプロモーションを包括的に行うことを意味します。
教室開業におけるマーケティングとは、教室の商圏(生徒さんが通える範囲内)のリサーチをしてターゲットを見つけ、教室の方針とそのターゲットのニーズを織り交ぜた練習内容を考え、生徒募集をかけることを指します。
水泳教室の集客のコツ2-1 周辺のリサーチとターゲットの決定
まずは教室周辺のリサーチを行いましょう。
周辺というのは、教室に通える範囲内のことを意味します。
水泳教室であれば小学校・中学校・高校の数・住宅の戸数・場所・生活リズム・環境・地域特性などを調べましょう。
おおよその人数は調査・計算すれば推定できるでしょうし、実際に歩き回ればその地域の特色がわかるはずです。
また、競合する他の教室の様子などを覗きに行くと、さらにイメージが湧きやすいと思います。
地域によっては習い事はほぼボランティアなんて場合もあるので、事前に調査をすることで教室を始めるリスクを減らすことができるでしょう。
水泳教室の集客のコツ2-2 教室の内容の決定
次にリサーチで得た情報からニーズを導き出し、先に決めた「どのような教室にするのか?」という経営理念と併せて、練習のやり方や教室のシステムを決めます。
練習内容は、ニーズと自分のやりたいことのバランスを考え、どちらかに偏らないように気を付ける必要があります。
なぜなら、生徒のニーズに寄りすぎた指導もコーチの独りよがりな指導も、どちらかに無理が出て来てしまい長続きしないからです。
理想的には、生徒のニーズの半歩から一歩先の指導を行うようなカリキュラムを組むと生徒が飽きずに取り組めるかつコーチの優位性が保たれる良い指導になるでしょう。
料金・時間帯などの教室のシステムは、ターゲットが通いやすいように考える必要があります。
特に時間帯を間違えたり、その地域の特性に合ってないシステムにしたりすると物理的に通えない教室になってしまうので注意が必要です。
水泳教室の集客のコツ2-3 生徒募集をする(集客する)
経営理念と商圏のリサーチによって教室の概要が一通り出来たら、生徒募集を行いましょう。
集客というのは、3つのステップで成り立ちます。
1.教室のターゲットにリーチする(存在を知らせる・問い合わせをもらう)
2.教室のターゲットに練習を体験してもらう
3.教室のターゲットに入会してもらう
まず、いくら素晴らしい指導を行っていたとしても、教室の存在を知ってもらわないことには始まりません。
「知らないもの=存在しないもの」なので、まずはターゲットとなる人たちに教室の存在を知らせ、お問い合わせや体験申し込みを貰えるようにしましょう。
次に、体験練習で満足してもらえるような指導をしましょう。
その教室の売りはなんと言っても指導の中身にあります。コミュニケーションをきちんと取り相手のニーズに応えること、そしてコーチの知見が豊かであることが伝わるようにすることが重要です。
最後に、お金や時間を費やしてでも入会してもらえるようなコミュニケーションを取りましょう。
習い事に通うというのはお金と時間を自分や子供に投資するということでもあります。その価値があることが伝わるようなポジティブなコミュニケーションで入会の手続きがスムーズになるように心がけましょう。
教室の問い合わせ・体験数(ステップ1)×入会率(ステップ2・ステップ3)=新規入会者数であることを忘れずに、この3ステップを充実させる必要があるのです。
【水泳教室の集客のコツ2】
・教室の周辺をリサーチする。
・ターゲットのニーズと教室の理念に合った内容を考える。
・教室集客の3ステップを意識して集客方法や接客方法を考える。
水泳教室の集客のコツ3 生徒募集の方法を検討する!
では、具体的にどのような方法を使えば、「教室経営は厳しい!」と言われているこの時代に十分な生徒を集めることができるのでしょうか?
ブログやホームページを作ったり、SNSに投稿したり、チラシをポスティングしたり、地域のフリーペーパーや雑誌に広告を載せたり、地元の掲示板に要項やポスターを貼ったり、目立つ看板・POPをつくったり、イベントを開いたり、紹介キャンペーンを実施して口コミで広めてもらったり…。
生徒を集めるために出来ることはいくらでもあります!
ここではこれらすべての方法の目的と効果を検討し、それぞれのメリット・デメリットを考えてみましょう。
水泳教室の集客のコツ3-1 チラシ(新聞折込・ポスティング)
チラシは教室集客の方法として最もポピュラーで古典的なものです。
チラシの目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうことです。
未だに新聞の折り込みチラシやポスティングされるチラシがあることを考えると、古いから効果がないとは言い切れないでしょう。
また、最近はネット上に無料のデザイン・テンプレートやチラシにおいて重要なキャッチフレーズ(キャッチコピー)の考え方が共有されているので、ポスティングや手配りであればほぼコストをかけず出来る集客方法となっています。
水泳教室の集客方法としてのチラシのメリット
・特殊な技術を必要としないため誰でもできる。
・安価で教室のある地域に住む・通う全世代の人に教室を宣伝することができる。
・「通うきっかけを探している層」に直接的アプローチできる。(特典やキャンペーンなど)
水泳教室の集客方法としてのチラシのデメリット
・スマートフォンやインターネットの普及によって、紙媒体のチラシは受け付けない人や迷惑行為だと思う人が増えている。(教室のイメージを下げる)
・確率論なので大量のチラシを配らなければお問い合わせや体験の申し込みに繋がらない。
・チラシでは、教室の詳細を知らせることができない。
水泳教室の集客のコツ3-2 ポスター・要項(地域の掲示板やお店)
ポスターや生徒募集の要項を地域の掲示板に貼るという教室集客の方法は、チラシに並んで最も古典的なものの1つでしょう。
ポスターや要項の目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうことです。
たまに地域の掲示板やお店の出入り口に見かけますが、集客方法として機能しているのかは不明です。
水泳教室の集客方法としてのポスター・要項のメリット
・特殊な技術を必要としないため誰でもできる。
・安価で教室のある地域に住む・通う全世代の人に教室を宣伝することができる。
・教室のターゲットが来そうな場所にあらかじめしかけておくことができる。
水泳教室の集客方法としてのポスター・要項のデメリット
・掲示板を見る文化が失われつつある。
・お問い合わせをするのに手間がかかる。
・スマートフォンやインターネットの普及によって与えられる情報の価値が下がっている。
水泳教室の集客のコツ3-3 看板・POP
看板やPOPは教室集客の方法として先の2つと同じく古典的なものの1つでしょう。
看板やPOPの目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうことです。
これらは教室周辺が生活圏の人に存在を知らせたり、新しく来た人に場所を知らせる目印になったりする効果があります。
また、最近は無料のデザイン・テンプレートや売れるPOP・立て看板の作り方が共有されているので、コストをかけずに自分で出来る集客方法と言えるでしょう。
水泳教室の集客方法としての看板・POPのメリット
・特殊な技術を必要としないため誰でもできる。(本格的な看板は不可)
・固定して置けるので時間経過と共に知名度が上がっていく。
・教室の具体的な位置を知らせることができる。
水泳教室の集客方法としての看板・POPのデメリット
・看板やPOPだけでは信頼に足る情報を与えることができない。
・邪魔になるような看板やPOPによって教室のイメージが下がる可能性がある。
・スマートフォンやインターネットの普及によって与えられる情報の価値が下がっている。
水泳教室の集客のコツ3-4 口コミ・紹介
口コミや紹介という教室集客の方法は、アナログ集客でありながらどの時代でも最も効果のあるものです。
口コミや紹介の目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうこと、教室の信頼度を高めることです。
教室やスクール会員の口コミや紹介は良くも悪くも効果絶大です。
水泳教室の集客方法としての口コミ・紹介のメリット
・全く費用をかけずに集客することができる。
・教室の雰囲気を理解してくれている良質な生徒を集めることができる。
・集客のステップ全ての障壁をなくしてくれる。
水泳教室の集客方法としての口コミ・紹介のデメリット
・常連の権力が強くなりがち。(度を越えることがある。)
・派閥やグループができ、閉鎖的になる。
水泳教室の集客のコツ3-5 イベント
イベントの開催は教室集客の方法として費用対効果の優れたものです。
イベントの目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうことです。
イベント自体が収益化できるうえに、そこに参加してくれた人に対して直接アプローチできるので、一石二鳥な集客方法といえるでしょう。
水泳教室の集客方法としてのイベントのメリット
・集客をしながら利益を上げることができる。
・イベントなどを通じて自然な流れで教室に興味を持ってもらうことができる。
・「通うきっかけを探している層」に直接的アプローチできる。
水泳教室の集客方法としてのイベントのデメリット
・イベント自体の企画と集客をする必要がある。
・イベントのターゲットが教室のターゲットと一致していなければ全く効果がない。
水泳教室の集客のコツ3-6 雑誌・フリーペーパーの広告
雑誌やフリーペーパーに生徒募集の広告を出すという教室集客の方法は、特定のジャンル・地域に対して効率よくアプローチできるものです。
雑誌・フリーペーパーの広告の目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうことです。
どのくらいの効果があるかはその雑誌やフリーペーパーによって異なりますが、発行部数×1%未満~5%くらいのリーチは期待できるでしょう。
水泳教室の集客方法としての雑誌・フリーペーパーの広告のメリット
・広告費を払えば権威ある雑誌や地元のフリーペーパーに掲載できる。
・属性を絞った状態で宣伝できるため費用対効果が高い。(地域、読者層など)
・手間をかけずに集客をすることができる。
水泳教室の集客方法としての雑誌・フリーペーパーの広告のデメリット
・紙媒体の雑誌・フリーペーパーが読まれなくなってきている。
・雑誌やフリーペーパー側が出す見積もりの費用対効果よりも低くなるケースが多い。
水泳教室の集客のコツ3-7 インターネット広告
Yahoo!・GoogleやSNSにインターネット広告を出すという教室集客の方法は、大手が取り組む今最もポピュラーなものです。
インターネット広告の目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうこと、教室の詳細を知ってもらうことです。(ステップ1)
ターゲットが検索しそうなキーワードで検索されたときに検索結果1番目に表示されるように広告を打つことで、教室のホームページや練習内容の詳細ページを読んでもらうことができます。
水泳教室の集客方法としてのインターネット広告のメリット
・宣伝広告費さえ準備すれば誰でも広告を出すことができる。
・ターゲットの検索に合わせて表示するため、広告の無駄打ちが減り費用対効果が他の広告より高くなる。
・即効性がある。
水泳教室の集客方法としてのインターネット広告のデメリット
・検索者のクリックにあわせて半永久的に広告費がかかる。
・ホームページや練習内容の詳細ページのできが悪いと、広告によってアクセスが増えても入会者が増えない。
・インターネットを使わない世代には宣伝できない。
水泳教室の集客のコツ3-8 ウェブ検索(ホームページ・ブログのSEO対策)
ホームページやブログのSEO対策をしてウェブ検索から教室の集客を行う方法は、今最も費用対効果が高いものです。
ホームページやブログのSEO対策をしてウェブ検索から教室の集客を行う目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうこと、教室の詳細を知ってもらうことです。
広告と同じようにターゲットが検索しそうなキーワードで検索されたときに検索結果上位に表示されるように、特殊な技術(SEO)を用いることで、教室のホームページや練習内容の詳細ページを読んでもらうことができます。
水泳教室の集客方法としてのウェブ検索のメリット
・技術さえあればお金がかからない。(費用対効果が高い)
・検索上位を取れれば、半自動的にターゲットに対して集客をかけ続けることができる。
・ターゲットの属性を絞ることが出来る。
水泳教室の集客方法としてのウェブ検索のデメリット
・検索エンジンの仕組みを理解し、技術を身に付ける必要がある。
・時間がかかる。
・インターネットを使わない世代には集客効果がない。
水泳教室の集客のコツ3-9 SNS(インスタグラム・ツイッター・フェイスブックなど)
SNSを使った教室集客の方法は、ターゲット層が合えば流行に乗って爆発的な効果を出すものです。
SNSの目的は、教室の存在(売り)を知ってもらうことです。
たとえば、ビジュアル重視の教室はインスタグラムに写真を投稿することで集客をすることができます。
水泳教室の集客方法としてのSNSのメリット
・特殊な技術を必要としないため誰でもできる。
・無料で教室の宣伝をすることができる。
・拡散力が高いため、当たれば大きな宣伝効果を出すことができる。
水泳教室の集客方法としてのSNSのデメリット
・教室の詳細を伝えることができない。
・SNSから直接入会に結びつくことは少ない。(ホームページやブログにアクセスする必要がある。)
・SNSを使わない世代には集客効果がない。
【水泳教室集客のコツ3】
・それぞれの集客方法の目的と効果、メリットとデメリットを考える。
・教室のターゲットを集めるのに適した集客方法を使う。
参考1 理想的な水泳教室の集客に関する僕のアイデア
ここからは参考までに、僕が考える理想的な現代教室集客のやり方について解説したいと思います。
復習までに教室集客の3ステップを確認しておきましょう。
1.教室のターゲットにリーチする(存在を知らせる・問い合わせをもらう)
2.教室のターゲットに練習を体験してもらう
3.教室のターゲットに入会してもらう
では、それぞれのステップについて理想的な集客をするためにすべきことを考えてみましょう。
水泳教室の集客ステップ1 ターゲットにリーチする(存在を知らせる・問い合わせをもらう)
まずは、ターゲットとなる人たちに教室の存在を知らせ、興味を持ってもらい、問い合わせをもらうところから集客はスタートします。
そのためには、さまざまな集客方法を組み合わせて使うことが重要です。
例えば、教室の存在を知らせる+興味を持ってもらうのに効果的なチラシ、SNS、ブログとより深く知ってもらう+問い合わせをもらうのに効果的なホームページを組み合わせて使うことで、それぞれの短所と長所を補完し合い、取りこぼしなく大きな集客力を得ることができます。
ブログやSNSはターゲットが使いそうな検索キーワード(「水泳教室(スイミングスクール)+地域名」など)を意識すれば文章や画像でアプローチすることができ、チラシはその他の集客方法と違うアナログ集客ツールなのでインターネットを使わないターゲットにキャッチコピーや写真などでアプローチすることができます。
しかし、これだけではターゲットに教室の存在を知ってもらっただけで、問い合わせるほどの強い興味や信頼感を得ることは出来ません。
そこでアプローチして少しでも興味を持ってくれた人をきちんと教室についての説明を書いてあるホームページに流し、その内容によって強い興味や信頼感を持ってもらい、問い合わせや体験の申し込みに誘導するのです。
このように、僕がここで例として挙げた4つの方法だけでも、教室のターゲットにほぼ完全にリーチすることができるでしょう。
※ブログ・ホームページは、「地域名+水泳教室(スイミングスクール)」などの検索されそうなキーワードで検索順位上位10サイトまでに入る必要があります。
※チラシは、ターゲット層によっては必要ありません。
水泳教室の集客ステップ2 ターゲットに練習を体験してもらう
次に、ターゲットに体験してもらう指導の良し悪しによって入会率は大きく変わってきます。
当たり前のことですが、教室の売り物は指導です。
そのため、質の高い指導をする(例:上達する、内容が濃い、生徒の期待に沿っているなど)というのはとても重要です。
しかし、それは大前提として体験練習では特に相手とのコミュニケーションを大切にする必要があります。相手がどのような人なのかを観察し、適したコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
なぜなら、初めての練習では内容云々よりも緊張や不安の方が気になることが多いからです。また、コミュニケーションを取ることで「気にかけてくれているな!」と特別感を出すこともできるでしょう。
とにかく相手との接触回数を増やすことで相手のニーズを引き出したり、信頼感を得たりすることができるので、積極的にコミュニケーションを取りに行くことで、指導の質も相手の満足度も高めることができるでしょう。
※練習の内容はコーチの方針と生徒のニーズのバランスを取って、ブレてはいけないところはブレずに変えてもいいところは変えながら決めましょう。
水泳教室の集客ステップ3 ターゲットに入会してもらう
最後に、「ターゲットが費やすお金や時間の価値」≦「教室に通う価値」であることが伝わるか否かで入会率は大きく変わってきます。
習い事は投資なので、相手がその価値はないと判断すれば入会してもらうことができません。
そのため、「その金額を支払って何が得られるのか?」、「その時間を使って何を得られるのか?」を明確に伝えることが重要です。
体験終了後にきちんと投資に対するビジョンを共有することで、入会するという最後のハードルをすんなりと越えることができるでしょう。
また、金額や時間が適切かどうか、システムがわかりやすいかどうかなどもきちんと検証することが重要です。
強いて言うなら生徒が集まりやすい時期である春と秋にはキャンペーンを用意しておくと良いでしょう。
教室を運営する側の目線では当たり前であっても、生徒目線では当たり前ではないことも多々あり、それが入会の障壁になっているケースもあるのです。
参考2 水泳教室の集客の成功事例と失敗事例
ここでは参考までに教室集客の成功例と失敗例を1つずつ紹介したいと思います。
もちろん、同じことをすれば成功する(失敗する)というわけではありませんが、過去の事例から学べることは数多くあります。
※これらの体験談はクラウドソーシングで依頼し、実際に教室運営経験のある方に教室の成功・失敗の原因と一言を執筆して頂きました。
※教室の種類によっては、類似する教室の成功・失敗事例を載せています。ご了承ください。
教室集客の成功事例
3年前からスイミングクラブのマネージャーとして活動しています。
元々、そのスイミングクラブでインストラクターをしていましたが、運営側に回ることになりました。
私がマネージャーに就任したときには、少子化の影響もあり教室全体の生徒数が右肩下がりになっていました。
この3年間で様々な生徒募集の方法を試して、全盛期だった頃の生徒数に戻すことが出来ました。
最も効果があったのはチラシとGoogle広告です。
ただ、大切なのは方法よりもその方法で集まるであろう人に合わせた募集をかけることだと思います。
例えば、チラシは不特定多数の方に配るためよりたくさんの方に興味を持っていただくために、無料体験キャンペーンを大きく打ち出しました。
最終的には、生徒数が減っていくのを見て見ぬふりせず、色々な対策を試すことが重要だと思います。
【成功の原因】
・生徒を増やすために様々な施策を試した。
・それぞれの集客方法がどのような人を対象にしているかを正確に見極められていた。
教室集客の失敗事例
4年前までスイミングクラブを経営していました。
創設者である父親から事業を継いだこともあり、最初は生徒数も多く地域で1番の規模を誇っていました。
しかし、近くに某大手フィットネスクラブが新しく出来た途端に生徒が移動してしまい、経営難に陥ってしまいました。
長年に渡ってその地域を独占していたため、差別化の必要がなく競争力が弱っていたのが原因だと思います。
また、生徒募集に関しても年に2回(春・秋)にチラシをポスティングをしていただけで、他の方法に関してはあまり力を入れてきませんでした。
新しいことに取り組んだ方がいいということは理解していたつもりですが、やらなくても人が集まっているのだからいいじゃないかというおごりがどこかにあったのだと思います。
教室経営に失敗した私が言うのもなんですが、大手と勝負しても負けない売りを作ること、その時代に合った経営や集客のやり方を実践することが重要だと思います。
むしろ、慢心せずにこれさえきちんとしていれば教室ビジネスはうまくいくでしょう。
【失敗の原因】
・いつまでもこのままでいられると油断していた。
・他の教室に勝てる売りがなかった。
・集客方法が時代に適していなかった。
参考3 水泳教室の集客に関する本・セミナー
教室経営に関する情報は溢れるほど存在します。
この「カンコドリがなくまえに」のようなウェブサイトや本、セミナー・イベントなどさまざまな形で情報を得ることができます。
教室を開業する前にある程度先人たちの知恵や経験をインプットしておくと、その後スムーズに運営を進められるでしょう。
ここでは教室運営のために読んでおくべきおすすめの書籍をいくつか紹介したいと思います。
教室集客・経営について読むべき本 著・佐藤仁「生徒集客バイブル」
この本は教室の集客について体系的に学びたい人におすすめの本です。
具体的な教室集客術というよりも生徒を増やすため・減らさないための考え方を教えてくれる1度は目を通しておきたい1冊です。
他の本と比較して1冊の情報量が圧倒的に多いのは魅力でしょう。
教室集客・経営について読むべき本 著・水藤英司「お客様をやめさせないスクール&教室運営の仕組み」
この本は教室運営、特に生徒とのコミュニケーションについて学びたい人におすすめの本です。
人気の教室やコーチが無意識にやっていることを文章にしてわかりやすく解説してくれているので、教室を始める前の接客心得として読んでおくと良いでしょう。
他の本と比較して教室運営にフォーカスして書いているので、内容がより具体的で濃いのが魅力でしょう。
教室集客・経営について読むべき本 著・はあちゅう「「自分」を仕事にする生き方」
この本はコーチとしての在り方について学びたい人におすすめの本です。
コーチは自分自身が売り物です。自分の知識や経験がどうすれば武器になるのかを教えてくれる価値ある1冊です。
他の本と比較して教室・スクールビジネスという狭い世界に垣根を越えて新たな気付きを与えてくれるのが魅力でしょう。
まとめ
自分の経験を生かして多くの人に水泳の楽しさと奥深さを感じてもらいたい!
多くの方が強い思いを持って教室を運営しているでしょう。
しかし、なぜ生徒が集まる教室もあれば、全く生徒が集まらない教室もあるのでしょうか?
いくら素晴らしい指導をしていても、必ず人が集まるとは限りません。
なぜなら、その指導や教室の存在を知られることがなければ、それは存在しないのと同じだからです。
当たり前のことですが、意外と見落としがちなところです。
こだわりの指導をしているなら、その届け方にもこだわるべきなのです。
あなたの教室の方針に合った生徒が収益をあげるのにふさわしい人数集まったら、どれだけ素晴らしい教室になるのか、想像してみて下さい。
「やってみたい!」と思いませんか?
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