プロのバレリーナとしての経験を生かしてバレエ教室を開業したはいいものの、チラシ・看板・POPを作っても、地域のフリーペーパーに掲載しても全然生徒が集まらないとお困りの方は少なくありません。
正直、「実績や指導力があれば生徒は自然と集まる」というのは必ずしも正しいとは言えません。
実際、せっかく素晴らしい指導者がいるにもかかわらず、生徒の集め方を知らないがために生徒減少に歯止めがかからず経営難に陥る教室やスクールをこれまでいくつもみてきました。
また、バレエ教室に人が集まらない理由として、少子化が進んでいるから、立地が悪いから、知名度が低いから、人気バレエ教室が近隣にあるから…という声を耳にしますが、これらはどれも言い訳にしか過ぎません。
どんな状況下であっても、集客というものの本質を捉え、その原理原則にのっとった生徒の増やし方をすれば必ず効果は表れるのです。
今回は、集客が上手くいっていない街のバレエ教室が抱える原因とその解決策を解説します。
開業したてで生徒がいないバレエ教室でも、一時期から生徒がなかなか増えないバレエ教室でも、集客力を上げることが必ず出来るのです。
目次
あなたのバレエ教室に生徒が集まらない理由とは?
僕はこれまでに自分でテニススクールを開業したり、数多くのジャンルの教室ビジネスのコンサルティングを行ってきました。
その中で、経営や集客に行き詰りを感じている教室にはある共通点があることに気が付きました。
それは現在抱えている集客課題に対して論理的な思考で解決方法を導くことが出来ていない点です。
「自分の教室になぜ生徒が集まらないのか?」という問いに対して明確な答えが出せていなかったり、その問いに対する答えに全く筋が通っていなかったりするのです。
そのため、生徒集めのために様々な施策を試みるもののどれも空回りしてしまうのです。
僕は集客というものは常に3つのステップで構成されており、いかなる状況あっても「新規入会者数=お問合せ数・体験者数×入会率」という式が成り立つと考えています。(関連記事:バレエ教室に生徒を集める集客方法)
つまり、生徒を増やすには、この式の要素であるお問合せや体験者の数を増やすか入会率を高めるかの二択しかないのです。
では、それを念頭に置いて生徒集めに苦戦しているバレエ教室の原因と対策をそれぞれ詳しくみていきましょう。
そもそもバレエ教室の存在を知られていない
集客が上手くいっていない教室は、毎月のお問い合わせや見学・体験の申し込みがほぼゼロに近いケースが多いです。
だからといって近所にチラシを配ったり、目立つ看板やPOPを作ったり、地域のフリーペーパーに掲載を依頼したりしても、あまり宣伝広告の効果は得られないでしょう。見る前にチラシやフリーペーパーは捨てられ、こだわって作った看板やPOPはなかなか読まれません。
なぜなら、インターネットが普及してスマホを使う人が過半数を超えた昨今、「だれでも・いつでも・どこでも」自分が欲しい情報にアクセスすることが出来るようになったからです。
つまり、「バレエを習いたい(習わせたい)」と思った人がスマホやパソコンを使って「住んでる地域名+バレエ教室」と調べたときに、あなたの教室のホームページやブログが目立つ位置にあれば(検索順位上位1~3位)、自動的にあなたの教室の存在を知ってもらえるということです。
教室の存在を知ってもらえれば、お問合せや体験・見学もそれに乗じて増えること間違いないでしょう。
生徒や親御さんのニーズに応えられていない
当たり前のことですが、指導の質が低く生徒の期待に応えられなければ入会率が大きく下がり、生徒数は増えにくくなります。
もちろん、教室の主は先生なので「先生だからこそ出来るこだわりのレッスン」を大切にしなくてはいけません。
しかし、きちんと生徒のニーズとすり合わせていかなければすれ違いが起こり、入会に至らない可能性が高いでしょう。
僕は、どのような教室であっても生徒や親御さんのニーズは大きく分けて2つあると思います。
1つは、技術の上達です。
「綺麗に踊れるようになりたい!」、「身体が柔らかくなりたい!」などの技術面の向上が一番のニーズと言って間違いありません。
そのためには、どのような生徒が来てもその人に合った指導が行えるように経験を積み重ね、教え方の引き出しを数多く持っておくことが重要です。
もう1つのニーズは、人との信頼関係の構築です。
もちろん、先に挙げた技術の上達は大前提ですが、それ以上に大切なのは「生徒」と「先生」ではなく人と人との人間関係の在り方にあると考えています。
新たに教室というコミュニティに属することは、新たな人間関係を構築することです。
そのときに生徒やその親御さんと人対人として信頼関係をお互いに作れるかどうかが重要なのです。
一生懸命に真摯な姿勢で1人1人と向き合うことが大切でしょう。
教室の料金・時間・クラスレベルの設定が適切でない
月謝、時間帯、クラスレベルの設定が原因で生徒が集まらないケースは意外と少なくありません。
先生が決めたレッスンの時間帯が学校のスケジュールと合わなかったり、他の習い事の月謝と大きく差があったりするといくら良いレッスンを行っていたとしても物理的に通えないのです。
自分の常識にとらわれることなく、どのくらいまでなら月謝として無理なく支払えるのか、周辺の学校のスケジュールとブッキングしていないか、クラスのレベル設定やクラス設計は適切なのかなど細かなところに気を配ることはとても重要です。
そして、問題点を見つけたら時間をかけて検討するのではなく、即変更するスピード感を意識することが重要です。
決して格安にしたり、全てを生徒に合わせたりしろということではありません。
生徒や親御さんの要望に出来るだけ耳を傾けながらも、あくまで自分の教室の色を大切にすることが料金や時間帯を決定する上でも大切だということです。
生徒が集まらないバレエ教室のまとめ
生徒が集まらないのは自分の指導力が足りないからだ…。
コンサルティングをしていると、そうやって原因を決めつけてしまう先生が多いことに驚きます。
確かに、指導力を高めるための努力はいつまでもし続けなくてはいけません。
ただ、生徒が集まらないのには必ず原因があり、原因があるならば必ずそれを解決するのに見合った方法があります。
だから、まずは冷静に考えましょう。
生徒が増えないからといって自分を責めたり、意味のない広告にお金をかけたり、空いた時間にチラシのポスティングをしたり…。
それが本当にあなたの教室に生徒を集めるための最善策なのでしょうか?
ただ生徒が集まらないと嘆くのではなく、原因を見つけ具体的な行動を起こしましょう。
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